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社会福祉法人やまがた市民福祉会|特別養護老人ホームとかみ共生苑|グループホームとかみ楽生苑|とかみふれあいセンター

TEL. 023-646-5050

〒990-2342 山形市富神前6番地

法人概要
概要・施設のつくり私たちのめざすもの施設の開設に至る経過

  

   初代施設長  沼澤 忠     
  「別冊総合ケア ユニットケア最前線」よりその一部を許可を得て転載

施設の建設と開設に至る経過

■きっかけ
 ホーム開設運動の契機は、1990(平成2)年2月、至誠堂総合病院が一老人からご自分の財産を老人福祉のために役立ててほしいとの趣旨で、遺贈をうけたことと、1993年4月、地元西山形住民のあいだから福祉施設と医療機関誘致の運動が起こったこと、期せずしてこの2つの動きが結びついたことによる。

■プロジェクトチーム
 1993(平成5)年10月、「施設および運営構想プロジェクトチーム」が発足、老人福祉などについて調査・研究し、これらを踏まえ、1)施設の理念・ありかた、2)老人の処遇の理念・ありかた、3)経営の理念・ありかたを明らかにすることとした。
 チームの特徴は、介護および看護の実務者なとに加え、当初から設計者が加わったこと、何よりも事業理念の議論を先行させ、これをメンバーの共通理解としていったことにある。

施設計画の目標と考え方

■生活する場を目標に
 プロジェクトチームの検討を踏まえ、解決すべき課題はつぎの3点に集約された。
 第1に個の尊重、第2に介護単位の小規模化−生活単位の小規模化を基本に、そして第3に施設の形−小規模化した生活単位を建築物という形にして敷地内にどのようにまとめるか。
 チーム内からはさらにつぎのような問題提起もあり、検討が重ねられた。
「『施設から生活施設へ』と言われて久しいが、生活施設とは、『そこに生活する利用者が、自分の居場所として実感でき、くつろいでいられる場所』でなければならない、つまり、『ここが終の棲家』として実感できるかどうかということこそ重要である」と。施設ではあっても個人を中心とし、普通の生活の場を目標にとらえた。

■プロジェクトの結論
 この目標達成のための結論はつぎのとおりであった。
1.個を尊重する−個室あるいはそれに準ずる空間を単位とする施設構造
 洗面や排泄など生活の基本的な行為は居室内で可能、周りに気兼ねがいらない、自分なりに部屋を設えることが可能、入居は引っ越し感覚で、居室は可能なかぎり広く。

2.生活単位と介護単位の小規模化
〈個人−家族−社会〉という展開のなかで家族に相当するような集団−8〜10人程度の個人で一集団を構成する。擬似家族あるいは向こう三軒両隣的観念、この集団の2つを介護単位とする。

3.クラスター方式−各生活単位のクラスター状の配置
 居住部分と共用部分の明確な分離、廊下を不特定多数の通路としない。これらの検討の結果、入居80人、ショートステイ20人の合計100人に対応する居室は、個室72室、2人室6室(うち夫婦用3室)、4人室4室、10人から14人が8つのクラスターに分かれて共同生活する施設として実現した。

※当時は「ユニットケア」という言葉が存在していなかったので、自分たちで「クラスター方式」と名付けました。また、全室個室を目指したのですが当時は認められませんでした。その後の改修で4人室は解消しました。


施設計画の前提−事業理念と運営の基本的原則

■事業理念はごく当たり前のこと
 施設計画の前提は、プロジェクトチームが合意した事業理念と事業運営にあたっての基本的な原則であり、それは法人全体のものとして現在も事業全体に貫かれている。
 1. 利用者の人間としての尊厳を守る介護を実践する。
 2. プライバシーをはじめ基本的人権の徹底擁護に基づく介護を実践する。利用者は生活の場として
  の施設の主人公である。
 3. 事業運営の基本的原則を民主主義と情報公開におく。



 出典:『別冊総合ケア ユニットケア最前線』より
実践編「特別養護老人ホーム/新築型  
とかみ共生苑
終の棲家の普通の生活/個室化とグループリビングの実践」よりP116〜P117

編集 特養・老健・医療施設ユニットケア研究会
医歯薬出版株式会社
2002年8月20日発行